天の川、スカイフィッシュの釣り堀にて

安眠妨害水族館では書かないこと、書けないこと

「こういう夢ならもう一度逢いたい」

 

 

僕の好きだったバンド、Hysteric Blue

活動休止中であった2004年、Gt.ナオキが紅白出演アーティストとしては前代未聞とも言える事件を起こして、そのまま解散が発表された。

 

近年、解散したバンドが復活する、なんてニュースも珍しくなくなった。

絶対にありえないと思っていたバンドまで復活を遂げていて、本当にありえないなんてことはありえないのだな、なんて思ったりもする。

しかし、数々の復活劇を横目に、メンバーに服役中の受刑者がいるHysteric Blueは、大々的な復活をできずにいる。

プロデューサーであった佐久間正英氏の追悼関連のイベントでHysteric Blue名義で出演したことはあったが、既に残されたメンバーであるVo.TamaとDr.楠瀬拓哉によるユニット、「Sabão」での活動が開始していた時期であり、Sabãoによる企画という印象が強い。

 

もっとも、一般的には、2013年のSabãoの結成=Hysteric Blueの復活と捉えられているのだろう。

実際、Hysteric Blueの楽曲も演奏しているし、"Hysteric Blueに捧げる"というタイトルでライブを開催したこともあるので、その認識で問題ないはずだ。

それでも、やはり"Hysteric Blueが見たいな"という気持ちは捨てられない。

解散後、ナオキ作曲のナンバーは演奏されていないし、Sabão以降の新曲も相応にできてきた中、青春時代の想い出が、リアルタイムのものとして更新されていくことに寂しさを感じているからかもしれない。

実態的にSabãoとしての活動も停滞しているので、それはそれで寂しいのだが。

 

そんなわけで、Hysteric Blueとしての復活ではなかったことに、Hysteric Blueの完全復活の余地を夢見てしまう僕。

わかっている。

その答えは、もう本人たちが出している。

 

記事のタイトルにした"こういう夢ならもう一度逢いたい"という一節。

彼らの代表曲である「春~spring~」のサビのワンフレーズだ。

これに対して、Sabãoとして、活動休止からちょうど10年後にあたる2013年にリリースした「KNOW」 という楽曲がある。

具体的に歌詞の世界観にリンクしている部分があるのかは不明だが、サビのフックで、"こういう夢なんてもう二度とないんだ "と歌われていて、これを聴いて、Hysteric Blueの復活はないのだな、と理解してしまった。

もう一度逢いたかったけれど、もう二度とないんだ、Hysteric Blueは。

そんな風に。

 

話は変わって、もうひとつ、僕の人生に大きく影響を与えたバンド、ホタルが高田馬場AREAで13年ぶりのワンマンを行った。

こちらも、Hysteric Blueと同じ2004年に解散したバンド。

引退していたメンバーもいて、彼らが復活する未来なんて想像できなかったが、実質的なラストワンマンとなっていた「心臓ディストォション」で何度も繰り返していた"もう一度、ここに帰ってくるから"という宣言を、13年かけて実現した形だ。

 

彼らの新曲、「社会に散った日」には、"大人になってしまった僕らは 幾つも夢を捨てて此処に居る"という一節があって、先述の「KNOW」の歌詞を思い出した。

共通するのは、若い頃に結果を出したバンドマンが、挫折を経験して、説得力を増した言葉の重み。

復活したバンドでさえ、あの頃と同じ境遇にいるわけではない。

 

僕がHysteric Blueの復活に求めていたのは、飛ぶ鳥落とす勢いでCDが売れて、紅白に出場するぐらいに人気を集めて、聴いているだけの自分も一緒にステップアップしていくような高揚感。

それだったのかもしれないと気付いた。

今、ホタルに対して注いでいる感情を、あのとき、Sabãoにもしっかり注ぐべきだったのだな、と。

ようやく、本当の意味でHysteric Blueの解散、およびSabãoの音楽にも向き合えそうだ、と思った。