天の川、スカイフィッシュの釣り堀にて

安眠妨害水族館では書かないこと、書けないこと

「やめどきがわからない」

僕の趣味は、「V系を中心に音楽を聴くこと」、あるいは「それによって感じたことを文章に残すこと」になるのだろう。

もっとも、初対面の人にはそこまでディープに話す必要もないので、「Jリーグを見ること」と言うことが多い。

丸めて「音楽鑑賞」でも良いのだが、その次の「どんな曲を聴くの?」が面倒だから、サッカーのほうが楽なのだ。

 

それらが趣味になったきっかけを思い出すと、なんてことはない、ミーハー心によるもの。

小学校のときにJリーグが開幕して、周りがみんな夢中になった。

スポーツに興味を持ち始めたタイミングで、そんなお祭り騒ぎが巻き起こったものだから、僕も一緒にのめり込んで今に至る。

中学生の頃には、V系バブルの予兆が来る。

今度は、音楽に興味を持ち始めたタイミングだ。

もちろん、本当にハマるまでには色々と理由があるのだが、突き詰めると「流行に乗った」ということになってしまう。

 

レビューブログを長いことやっていると、継続は力なり、的な言葉をいただける機会も増えてきた。

でも、僕からしてみたら、やめどきがわからないだけ。

ブームとしては落ち着いたポケモンGOだって、まだまだやり続ける気満々の僕。

はじめたからには、続けるのが普通でしょ?

だって、嫌いになったわけではないんだもの、という感覚なのだ。

 

そういえば、あの頃のサッカー少年たちは、いつの間にかバスケットボール部に入っていた。

「一緒にDeshabillzのコピーバンドをやろうぜ!」と約束していた友達も、高校に入ったら別の音楽仲間とくるりのコピバンを結成した。

どうやら多くの人は、新しいブームが来たら、趣味は上書き更新されるらしい。

そんなことをしたら、今まで費やしてきた時間とかお金とか、全部無駄になっちゃうじゃない!

なんて思ってしまうオタク気質の僕は、「好きなものフォルダ」に次々にファイルをぶち込んでいた結果、容量オーバーでもう入るところがなくなっているだけなのかもしれない。

 

確かに僕の好きなものって、ウルトラマンしかり、ラジオしかり、10代までにのめり込んだものが大半だ。

キューバだ、ホットヨガだ、友達が大人になってからハマっているものには、あまり心を惹かれない。

いや、経験してみたい気持ちがないわけではないのだが、現状の趣味との折り合いで時間的にも金銭的にも厳しいと判断して、どうしても消極的になってしまうというのが正確か。

要するに、何かをはじめるには何かをやめて容量を減らさないといけない、と最近ようやく気が付いた。

やめどきがわからない僕にとっては、なんとも受け入れがたい話だ。

 

当然、だからといって無理に趣味をやめようとは思っていない。

そこまでして趣味を更新しなければいけない必要性にも駆られていない。

だけど、上手く趣味を乗り換えている人は、どうやってそれまでの趣味と折り合いをつけたのか、と気にはなる。

やめどきってわかるものなのかな。

それとも、やめたと意識することなく、自然となくなっていくものなのかな。

とりあえず、やめどきがわからないなりに、趣味をやめるタイミングを考えてみたい。

バンギャル的に言えば、上がるタイミングだ。

 

他のものに没頭した結果、やる時間がなくなって、そのまま興味がなくなっていくということはあるかもしれない。

僕の場合、それは新しい趣味ではなく、仕事や育児だったりするのだろうけれど、そんな結論はつまらないので脇に置いておく。

では、こんなV系シーンになったら興味を失うだろうな、というのを想像してみる。

インストバンドが流行って、ボーカリストが姿を消す。

逆にアカペラが流行って、楽器隊が姿を消す。

ライブハウスではお饅頭とお茶が配られて、白塗りバンドマンが落語を一席、なんて日がきたらどうだろう。

 

「上がる上がるってお前さん、上がって何をしようっていうんだい?」

「いやね、最近巷ではInstagramってのが流行ってるらしい。」

「写真ときたか。するってぇと、あの山のようにあった貴重盤はどうするっていうのさ?」

「売っちまうさ。良い値がつくといいんだが。」

「良い値がついても、"いいね!"がつかなきゃ才がない。お前さん、上がれないね。」

「なんでだい?」

「"あがり"も何も、賽がないんじゃふりだしから動けないって話さ。」

 

うん、こんなシーンは嫌だ。

でも、ひとつふたつだったら、こんなバンドがいても面白いんじゃないの? となるから、ヴィジュアル系は業が深い。

他にも色々とアイディアを思い浮かべてみるが、むしろワクワクしてしまって、当面上がれそうにはなさそうだ。

 

そして、このブログ記事のやめどきもわからない。

後半のV系漫談のくだり、完全に蛇足じゃないか。

これじゃ、全部台無しだ。

 

「で、お前さん、結局上がったのかい?」

「台が無ければ、上がることなどできませんぜ。」

 

おあとがよろしいようで。