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天の川、スカイフィッシュの釣り堀にて

安眠妨害水族館では書かないこと、書けないこと

「WaTは好青年」

僕のささやかな自慢。

それは、WaTと共演したことがあること。

 

大学時代、学生会館の館内放送の制作・編成や、イベントを運営するサークルに所属していた。

アナウンス部を持っていたため、アナウンサーも多く輩出していたりする。

もともとは、映像、音響、照明といったハード面を担うサークルだったが、ちょうど僕が在籍していた10年ちょっと前にソフト面の強化が図られ、コンテンツの制作部門が立ち上がった。

僕はそこの2代目チーフとして、イベント運営におけるソフト面のプロジェクトマネジメントを担当していたのだ。

 

仰々しく書いたが、要するに、学園祭のステージに誰を呼ぶか、という仕事だ。

もっとも、下手なイベントよりも動員は多いし、任されたのはメインステージ。

たぶん、新聞にも載る。

失敗は許されない中、予算はサークル員が払った会費から捻出しなければいけないので、低コストでの運営も求められるという立場。

社会人になって10年以上経った今でも、これ以上に難しい仕事はしていないのではないか、と思うくらいである。

 

ブッキングに失敗したタレントは星の数。

諦めかけたそのとき、駆け込みでウエンツ瑛士が来る、という朗報が。

正直なところ、失礼とも言えるギャラの提示だったのだと思うが、快く返事をいただいたどころか、WaTで売り出していきたいので是非WaTで出演させてほしい、とのこと。

なんと、小池徹平まで来てくれるなら、こちらとしてはありがたい限りだ。

あれよあれよという間に、サークル内での目玉を通り越して、学園祭の目玉になっていた。

ちなみに、自分の手柄っぽく書いているが、僕は置物チーフ。

チームリーダーとその他メンバーの頑張りの結果だということは補足しておく。

 

さて、いざゲストが来るとなると、裏方は慌ただしくなる。

「弁当は、オリジンとほか弁、どっちを用意しましょう? どっちが高級に見えますか?」という判断を求められた僕は、「両方買っておけ!」と指示をした。

(チーフなのに、思い出した仕事がこれだけって悲しい。)

イベントと連動して館内放送用の番組も制作すべく、インタビューやライブ映像の撮影の段取りも整える。

メインステージのMCはアナウンス部のエース格が担当するが、館内放送用の素材は自前で準備する必要があるので、導入のMCやインタビューは僕がやることに。

所詮はサークル活動。

本番中はステージ運営に人が割かれるため、最後の最後はチーフだろうが現場に飛び出すのがお約束なのだ。

 

ステージ上のWaTの二人は、さすがに格好良かった。

立ち振る舞いからオーラが出ていて、普段見ているマイナーバンドマンとの格の違いを感じさせる。

音響、照明もサークル員というお世辞にもプロレベルに達しているとは言えないステージ環境だったが、そうとは感じさせない熱狂ぶりだ。

 

そして、ステージから降りても、WaTの二人はウエンツ瑛士小池徹平のままだった。

インタビューにも真摯に応えてくれたし、スタッフに対しての気配りも完璧。

その後のビンゴ大会にも、飛び入り参加して盛り上げてくれた。

スターがこんなに気さくでいいものだろうか、という好青年っぷりで、サークル内でのWaTの支持率が急上昇したのは言うまでもない。

 

一方、僕と言えば、1,000人以上のオーディエンスを前に挙動不審なMCとなったうえ、それを引きずったインタビューでは、挨拶もしないうちに「お弁当はどちらを食べましたか?」なんて先方からしたら意味のわからない質問を繰り出す始末。

二人にフォローされっぱなしで、その後はどんな話をしたかもよく覚えていない。

ただ、ずっと笑顔で対応していただいたのは、はっきり記憶に残っている。

カメラがオフになっても、テレビで見ていた人柄と変わらない彼らだ。

おこがましいが、もう少し喋る時間があれば友達になれそうと錯覚してしまう親しみやすさ。

キャラを作るまでもなく、自然体で魅力的な二人だったということは伝えておこう。

 

ちなみに、こんな文章を書いたのは、僕がWaTと共演した、という記録が一切残っていないから。

館内放送用の番組はきっちり仕上げて編成担当に渡したのだが、放送前に紛失したらしい。

データのコピーを貰う前だったので、僕とWaTが並んで映っているインタビュー映像は永久にお蔵入り。

WaTが解散してしまった今となっては貴重な資料だと思うが、編集した段階でバックアップを作っておくべきだった。

映像での証拠がないのは残念だが、滅多にない機会だ。

10年越しの備忘録を書けたので、少しほっとした気分。

せめて、サインでも貰っておけばよかったな。

 

なお、お弁当には手を付けていなかった。

やはり津多屋のお弁当にするべきだったか。