読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

天の川、スカイフィッシュの釣り堀にて

安眠妨害水族館では書かないこと、書けないこと

「娘の寝相」

自分の娘に限ったことではないのだと思うが、子どもというのは、どうしてこうも寝相が悪いのだろうか。

自分も子どものころは、こんなに悪かったのだろうか。

そんなことを思う毎日だ。

 

しばらく前になるが、朝起きてびっくりしたことがある。

布団の上で寝ていたはずの娘がいない。

どこに行ったのだろう、と内心ヒヤヒヤしながら探したところ、ショーケースの下にいた。

 

f:id:sakanagatoretaskytree:20170522214201p:plain

 

一度起きて、遊んでいるうちにまた寝てしまったのだと思いたいところだが、おそらくは、寝たまま潜り込んだ模様。

大人だったら起きていても入れない隙間。

幼児の寝相の恐ろしさをわかっていただけただろうか。

 

f:id:sakanagatoretaskytree:20170522214156p:plain

 

この後、起きると同時に頭をショーケースに強かぶつけて号泣していた。

まぁ、そうなるわな。

この後すぐに引っ越しをしてベッドで寝るようになったのだが、引っ越し初日でベッドから落ちた。

寝かしつけだけでも大変だというのに、寝てからも怪我の心配をしなければいけないなんて思わなんだ。

 

今でも、枕に頭を乗せて寝ていたはずなのに、少し目を離すと天地が逆になっていたりする。

興味本位で観察してみたのだが、なんとなくわかったのは、子どもはとても暑がりだということ。

寝ながらにして、涼を求めているのである。

まず、かかっているタオルを蹴り飛ばし、それでも暑ければ移動する。

布団に寝せてもフローリングの床に移動してしまうのは、そちらのほうがひんやりしているからだと思われる。

 

また、体が軽いため、移動もダイナミックだ。

コロコロ寝返りして移動するなら、まだ可愛い方。

一度起き上がり、座った状態になる。

そして、そこから倒れ込む。

一瞬にして天地が逆になるのは、こんなメカニズムだった。

僕は寝転がったら最後、絶対に起き上がりたくない。

だから、子どもがこんな動きをしているなんて思い付くはずがない。

 

そんなわけで、ベッドから落ちないよう、僕と嫁で娘を挟み込む形で寝るスタイルに落ち着いた。

俗に言う「川の字」だが、両サイドは川というより防波堤。

娘の怪我の心配はなくなったけれど、結構な頻度で鼻にかかと落としを喰らうので、自分の怪我の心配をしなければ。

もうすぐ4歳。

蹴りも、なかなか重くなってきた。

 

もっかの悩み事は、子どもがもう一人増えたことによる寝るときの布陣。

まだ寝がえりも打てない乳児なので、今のところベッドから落ちる心配も蹴られる心配もないが、いずれダイナミックに動き回る日が来るだろう。

そのとき、どのように子ども2人を配置するのが正解なのか。

もっともそれまでに、お姉ちゃんの寝相がある程度落ち着いてくれるとありがたいのだけれど。

 

「Pierrot BRAINSTORM」

中高生の頃、僕には"このアーティストが好き"と友達に言い切るための条件がいくつかあった。

もちろん、自分が勝手に作ったルールだし、そこには当てはまらなくたって聴いていた音楽はいくつもあるのだが、"どんな曲を聴いているの?"という、日常会話でよくある質問に回答するために縛りを入れていたのだ。

 

曲が好き、歌詞が好き、といったところは当たり前。

地味に重要なファクターだったのは、「ラジオが面白いこと」。

そもそもラジオ番組を持っていなければいけないので、コア層しか知らないようなインディーズバンドは淘汰され、ある程度認知度が高いところに落ち着く。

また、YouTubeがない時代、そんなに音楽に興味がない友達にとって、CDを貸すよりもラジオ番組を紹介するほうがハマってくれる可能性が高かった。

アーティストのパーソナリティに近い部分が明らかになって愛着が沸くし、そこで語られる楽曲の背景を知って、まるでディープなファンになったような錯覚に陥る。

もともとラジオのヘビーリスナーだった僕。

テレビよりもラジオのほうがアーティストとの距離が近いと信じていた。

(地方に住んでいなければ、ライブがそれになっていた可能性は高いが。)

 

その条件に当てはまって、陶酔したアーティストは3組。

二部から一部に持ち上がって、今でも同番組と縁が深い「T.M.Revolution西川貴教のオールナイトニッポン」のT.M.Revolution

松岡充さんが「Come on FUNKY Lips!」の木曜日を担当していたSOPHIA

そして、キリトさんと潤さんが「UP'S〜Ultra Performer'S radio〜」の木曜枠、「Pierrot BRAINSTORM」を担当していたPIERROTである。

後者ふたつは地元・仙台では放送圏外だったので、ループアンテナを持ちながら家をウロウロしてなんとか電波を拾って聞いていたのを覚えている。

 

どの番組も思い出深いのだが、今回はテーマを「Pierrot BRAINSTORM」にした手前、PIERROTの話。

ヴィジュアル系バブルの時代だったこともあり、クラスの大半はPIERROTのことを認知していたと思う。

ただし、イメージとしては攻撃的、過激というステレオタイプの印象が先行しており、キャラクターまで捉えられていなかった。

そういう意味ででは、僕もこの番組に出会うまでは、その中のひとりだったのだろう。

 

表向きからも、ヴィジュアル系のタブーをいくつも壊してきた彼ら。

その裏で、ラジオで、BRAINSTORMで、僕の中でヴィジュアル系の概念もガラガラと壊れていく。

キリトさんは落ち着いて淡々と話す口調こそアーティスト然としているのだが、平気で本名をバラしたり、生々しいギャラの話をしたりとやりたい放題。

潤さんは潤さんで、それに狼狽えるわけでもなく掛け合いとして突っ込んで、時々乗っかってくる。

"トークが面白い"=関西ノリの喋りという先入観があった僕にとって、この二人の独特の間合いと笑いのセンス、まさに天才なのでは!

CDのイメージだけで怖い人だと思われたままではもったいない!

と、謎の使命感に燃えてしまうほど、衝撃を受けたのだった。

だって今でも、キリトさんのハンコは名字ではなく"信也"のほうで作られている、という無駄知識が頭から離れないもの。

 

もちろん、番組中に語られる楽曲に込めたメッセージにも、思春期真っ只中の少年には刺さるものが多く、正攻法からも裏口からも心を掴まれたら、そりゃ夢中になるわな。

課外授業でクラスメイトと民宿で一泊したとき、みんなが女子の話や経験人数の話に花を咲かせる中、延々とひとりでPIERROTの世界観の話をすることになるわな。

従妹のハルカちゃんの誕生日にシングル「ハルカ…/カナタヘ…」がリリースされて、妙な嫉妬心を覚えることになるわな。

 

後悔しているのは、そのときにライブに行くタイミングがなく、未だにPIERROTとしてのライブを見ることができていないこと。

今度の丘戦争にも、戦力として現場に出向くことは出来なそう。

まぁ、こんな徳を積めていない信者でも、"どちらの丘派か?"と聞かれたら、迷わずメギド派ですよ、と答えるぐらいにはラジオの影響力って僕にとっては大きかったんだということで。

 

ちなみに、BRAINSTORMで一番好きだったのは「ブーラーのターレー」。

業界用語を使ってファンレターを書く、というそれだけのくだらない企画だったのだが、そのときに生まれた「しわけないもう(申し訳ない」というフレーズは、未だに使ってしまいそうになる。

今回の「は行」のテーマ、実は直前まで「ブーラーのターレー」にするつもりだったのだが、文章を業界用語風にしなければいけない気がしてきて断念。

読みにくいことこのうえないので、安直に番組タイトルにさせていただきました。

しわけないもう。

 

 

 

「NADSADの企画イベントに行ってきた」

5月4日のこと。

東高円寺二万電圧にて開催されたNADSAD企画「破壊と再生、蠢く混沌」に行ってきた。

 

別ジャンル、ましてや対バンイベントなんて久しぶり。

友達に誘われたので、ふらっと足を運んでみた。

イベントそのものは16時すぎからやっていたようなのだけれど、到着したのは20時すぎ。

実は日程を勘違いしており、そもそもその日は行けないや、なんて思っていた僕。

当日になって、まだ間に合うからおいでよ、と改めて声をかけてもらったのが18時ぐらいだったのだ。

 

はじめて行くライブハイスだったこともあり、迷ってしまったのも追い打ちをかけた。

駅を出てからすぐ、あ、あれだ、とライブの案内板に向かって歩いていたのだが、いざ前に来てみたら全然違う。

 

f:id:sakanagatoretaskytree:20170510220256j:plain

 

陶芸教室だった。

 

これで完全に方向感覚を失ってしまい、駅から数秒の距離にあるはずのライブハウスに辿り着いたのは、もうしばらく彷徨った後。

主催のNADSADにすら間に合わないのでは、と冷や汗をかいた。

 

さて、辿り着いたのは異世界だった。

赤や金色に髪を染めた刺青だらけのお兄様がたくさん、酒を飲みながら回っている。

ステージに立っているのは、端的に言えばNANAに出てきそうな世界観のパンクバンド。

やっぱり派手な髪をツンツンに逆立てて、トゲトゲがいっぱいついた服を着て暴れていた。

歌詞もなんだか反社会的だ。

普段見ているのがV系シーンなので、派手なバンド、攻撃的なバンドはいくつも見てきたつもりだったが、そういえばアナーキスト系はそんなに通ってこなかった。

本当にあったんだ、こんな世界!と、テンションが上がってしまう。

ただ、周りのお兄様たちが怖いので、大人しく見ていることにしようと決めた。

 

その後も、激しいバンドなのに、アコーディオンを奏でる女性メンバーがいたり、飛び入りでタイムテーブルに載っていなかったバンドが演奏をはじめたり、どこまでが王道でどこからが邪道なのかもわからない文化の違いに驚きながら、いよいよトリであるNADSADの出番。

CDは事前に聴いていたものの、ライブははじめて。

ジャケットは、Ba&Vo.nozhさんの描いたイラストだったこともあり、メンバーのヴィジュアルすら知らない状態だったが、姉妹のツインボーカルを軸としたスリーピースバンドという特異性、しかもガールズロックと呼べるシロモノではないアングラでハードな世界観には惹かれるものがあった。

どんな登場をするんだろう、と思っていたところ、僕の前に立っていた女性がステージに上がり、セッティングをはじめた。

あ、この人だったんだ、と改めて文化の違いを感じるひとコマ。

マイクスタンドに手錠を絡めたり、上着を脱いでパンキッシュな出で立ちにチェンジしたり、というのを淡々と本人が準備しているのが、なんだか新鮮である。

 

率直な感想を言うと、もっとメロディが立っている楽曲があるともっとハマれるな、といったところ。

ただし、設定を作って狂気じみた演出をするのではなく、自然体で狂気を含んだライブをしている感覚で、とにかく格好良い。

上手く言えないが、このヒステリックな感性は女性だからこそ映えるのだと思う。

もともとは仙台を拠点に活動していて、学生時代はムックなどのライブにも行っていたらしい、という豆知識を友達から教えてもらって、妙に親近感も沸いた。

 

ひとつ心残りなのは、熱いライブだったがために喉が渇いたのだが、ドリンクが飲めなかったことだ。

いかつい刺青男たちがたむろしていて、通路を突破できず。

カウンターまで辿り着けなかった。

悪そうな奴はだいたい友達、って言えるようになるには、あと何回ライブ会場に足を運べばいいだろうか。

 

www.youtube.com